【大乗と桜 (再掲)】
(帰結を踏まえて)再び顧みる世界。無常の刹那に無量の光明を見出す人々の思い、願い、祈り。
諸法は無我である。法に形はない。時代の要請、世代の都合に即して自在応変に改められる。
(仮に)その背景に一貫して流れ続け、説き続けられる思想(らしきもの)があるとすれば、
それはただ人生讃歌に過ぎないのだと、私個人としては思う。
「世界(桜)は美しい。人生(生きること)は素晴らしい。」
何の惜しみもなく言い放つ。(ここから始まる、)ここに大乗の核心、日本仏教の真髄がある。
桜に思い記す。
【人間性の成熟 (再掲)】
理屈を磨くことのみで人間が磨かれるとは思えない。身をもって身につける何か。体で体得(体現)していくもの。知性というよりもむしろ感性に近い経験。永きに亘る様々な人生の経験(喜怒哀楽)。そのような経緯を踏まえたところでしか育まれないものに思える。「生きること」に理屈は必要だが、同時に理屈は必要ではない。両方とも大切(中道)。より大いなる何か。理屈の彼方にあるものに思える。
・ 世間法(社会通念)と出世間法(ダルマ)
法(ダルマ)もまた人の社会活動の規定である。人の社会的行為の範疇であるという意味において世間法(のひとつ)に組み込まれる。世間法と出世間法は区分し得ない。そもそも区分する考え方に問題がある。
出離を望むなら戒律規定を学べばいい。但し戒律で締め上げるのみでは人は成長しない。律法のみでは救われない。むしろ萎縮してしまう。出家の徳(素養)の備わっていない人に厳格な戒律行は逆効果。まずはしっかりと競争力を磨いて社会的責任を果たす。その上で法(ダルマ)への理解を深めていく。そういった手順(プロセス)を踏むことが必要。
万人に共通の普遍的な生き方というものは存在しない。どのような生き方を選択しようとも、その人の自由であり、その人が決める問題である。帰依信者としての受戒。生活一般の基本的な倫理規範としての五戒。ウポーサタの八戒。慈悲を加えての九戒。徐々に強められていく在家の実践(出家の準備?)。これは仏教徒(限定)の生き方。それ自体が宗教原理性に基づく行為である。受け入れる人は受け入れるし、受け入れない人は受け入れない。どこまで受け入れるのか、どこまで切り崩すのかは、やはりその人次第、その人の選択決定に委ねられる問題である。
・ 資本主義の徳 (24/05/15 up)
徳(秩序・節度)の資本主義とは何か。自由を至上の価値とする競争と格差の社会。福祉国家を志す平等と博愛の社会。個人の尊厳が先か、公共の利益が先か。極論ではなく、この調和(調停・和合)を推し進めていく。つまり中道の社会。生きる智慧。
・ 幾星霜 (24/05/20 up)
永きに亘る歴史の継承。経験の蓄積。波乱万丈。紆余曲折。荒波に揉まれ、風雪に耐え、角が取れ、磨かれ、醸し出す伝統文化の深い趣(おもむき)。威風堂々。
・ もはや蛇足だが、気になった点を補足する。(24/06/14 up)
… …。ならば社会倫理が無意味なのかと言えば、そうは思っていない。それは社会法規の根拠(のひとつ)が社会倫理にある、または社会倫理の具現化したものが社会法規であると思われるからだ。法令化せずとも守り続ける社会的慣習。古き良き伝統。そもそも個人規範(モラル?)と社会規範(エートス?)は区分が曖昧。個人の視点から社会(大外)へ拡げる。社会の視点から個々の人々へ差し戻す。相補的で、ほぼ同義に扱われている。だから、あまり深く考えても意味がない。考え過ぎると却って訳が分からなくなる。 注記:エートスとは、その社会の持つ歴史的文化的慣習。風習。哲学的精神的徳性。古代ギリシア語。 追記:あくまで憶測にすぎないが、いつもの場所(基準)とか、物事の出発点(発露)とか、こういった元々の語源の意味合いは(ポリスを拠り所とする)都市国家主義的な発想からきているのかも知れない(知らんけど…)。
つまり哲学(の原点)とは人類の英知の結晶としての倫理学(エートス)であり、人としての生き方を学ぶ、人生への問い立て(人倫の書)である。取り敢えずの(今の私の)結論。ここまでで一旦〆る。(24/09/12 up)
・ 推奨書籍・2
1. 原典訳 原始仏典 上 (ちくま学芸文庫) - 中村 元 (編集)
2. ブッダの生涯 (岩波現代文庫 〈仏典をよむ〉) - 中村 元 (著), 前田 專學 (監修)
3. 真理のことば (岩波現代文庫〈仏典をよむ 2〉) - 中村 元 (著), 前田 專學 (監修)
・ 最近読んだ本・2 ----- 財務諸表(決算書)をザックリと眺めてみる。
1. 【新版】財務3表一体理解法 (朝日新書) - 國貞 克則(著)
2. 【新版】財務3表図解分析法 (朝日新書) - 國貞 克則(著)
3. サンプルデータ(PDF)
・ 最近読み返している本 ----- 永きに亘る人生の旅路。人生に思いを馳せる。人生を考える。(23/06/15 up)
1. 寂聴 九十七歳の遺言 (朝日新書) - 瀬戸内 寂聴(著)
2. 東大生と語り尽くした6時間 立花隆の最終講義 (文春新書) - 立花 隆(著)
・ 最近読んだ本・3 ----- 原典回帰。原典に立ち返る。(24/09/06 up)
1. スッタニパータ ブッダの言葉 (光文社古典新訳文庫) - 今枝 由郎(訳)
2. ダンマパダ ブッダ 真理の言葉 (光文社古典新訳文庫) - 今枝 由郎(訳)
・ 追記(20/07/12 up)
思考は巡る。思考は廻る。どこまでも続く。終わっても終わらない。終わりから(再び)始まる。初心忘るべからず。