正義論

冷戦下の民主(資本)主義と社会(共産)主義の対立軸。民主主義国家内部での自由主義(福祉国家)と自由至上主義(小さな政府)との対立軸。その兼ね合い・折り合い。どの辺りを落とし所とするのかはその国自身で選択・決定していく問題。

但し日本の実情はまた別問題になる。日本は官僚の政治的影響力を無視できない国。巨大なデータベース、権力中枢機関としての官僚組織。その利権に群がる癒着としがらみの全構造。どうにも手の施しようのない肥大化。自浄作用の働かない構造的欠陥。茶番と化す事業仕分け。一定の歳出削減すら儘ならない原因はこの辺りにあるのかも知れない。

最初から功利主義(多数決)で十分という妥協(甘え)。これが少数派の切り捨てを容認する態度を産む。完全功利主義(≒一般意志)で臨む。この姿勢・心意気がやはり大切。それでも現場の対応は常にケースbyケース。憲法(理想)は大胆に掲げても実際(現実)の対応はその場しのぎの綱渡り(特例法案)もまた止むを得ないというように。つまりそれが政治。

「社会性とは何か」関係性への問い。主として法的拘束力を伴う全体規律。憲法。法律。「倫理性とは何か」善良性への問い。主として法的拘束力の伴わない個人規範。道徳。道義。「宗教性とは何か」原理(原因)性への問い。真実(本当)らしさへの信仰。信念。ならば「人間性とは何か」それらの全て。およそ「人とは何か」の問い立て、その全て。


戻る