自我の確立

『ブッダは明確な目的(意図)をもって舵を取り、方向を定めて法(ダルマ)を説く。』

自我の確立に必要なこと。ここに形而上学は持ち込まない。形而上学は問題をより複雑化し棚上げ先送りにするだけの邪魔物でしかない。ブッダは最初からそのことに気付いていて形而上学的思弁を退けた。また全体論的発想も避ける。全体論(ブラフマン・世界・社会)的発想にはある種の形而上学的判断が働いている(観念論)。具体性が伴わない。ただ目前の現実(実存)と向き合う。日々の生活(行為)に立脚する。自我(エゴ)の確立。自我(エゴ)の崩壊。智慧の獲得。ブッディズムは決してきれい事は言わない。

目的は個(我)の確立から個の滅尽(無我)、そして個の完成(解脱・悟り)である。そのための法を説かれた。


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